本当はもっともっとあたしでいっぱいにしたかった

 

 

 

 

 

 

いつもあたしを驚かしてくれるあなた

でも今日ぐらいは

あたしにさせて頂戴

 

 

 

「いよっし!!こんなもんかな!」

 

7月19日土曜日 PM9:00

今私は一応恋人である笹塚衛士の家にいる

あいかわらず人が片付けてやんないとなにもしない

 

 

「あ〜早く会いたいなぁvv」

 

絶対あたしが1番のりなんだから!

 

 

久しぶりに早く仕事が片付いた

いつも真面目に働かない部下が今日はやけに仕事熱心だ

おまけに

「今日は早く家に帰ってゆっくり休んでくださいね〜先輩!!」

なんて

 

なんだ・・・・

キモチワルイ

 

妙な嫌悪感を抱えつつ開けた家のドア

PM11:30

あれ・・・・?俺カギ掛けなかったっけ・・・・・

 

 

緊張が走る

刑事の家に泥棒なんざ

いい度胸だな

 

 

 

なんて

つかの間

 

 

 

 

「え・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

泥棒なんかじゃない

なぜか

俺の

彼女が

机で

寝ていた

 

 

 

 

「お、おい。?」

 

揺さぶるが起きない・・・・

 

「はぁ」

 

起きる前にシャワーでも浴びてこよう

 

 

 

 

 

やばい・・・・寝てた・・・・!!

慌てて時計を見るとPM11:50

あ・・・・まだ大丈夫じゃん

奥でシャワーの音がする

帰ってきたんだ・・・・・

それを確認してコーヒーを2人分いれた

 

 

 

 

リビングで物音がする

・・・起きたんだ

シャワーを止めてなるべく急いであがる

髪は・・・まぁそのうち乾くか

服を着てバスタオルを肩に掛けリビングへ向かった

 

 

PM11:55

笹塚さんがお風呂からあがってきた

「こ、こんばんは」

「こんばんは 来るなら連絡くれれば良かったのに」

「ううん。だって驚かせたかったし・・・」

「?そうなの?」

「あ、コーヒーいれたよ」

「ん、さんきゅ」

そう言って隣に座って飲んだ

「あ、あのね」

「ん」

「今日ってか明日どうしてもいいい一番に言いたいことが・・・・あ、あって・・・その」

「うん」

「勝手に入っちゃってごめんね」

「いいよ、その為に合鍵あげたんだし」

 

PM11:58

 

「で電話でもいいんだけどやっぱし直接言いたかったし」

「うん」

「何よりも・・・・・・サプライズしてほしくって」

「うん、かなりのサプライズだったよ」

「本当!!」

 

キラキラ光る彼女の笑顔

 

PM11:59

 

「で、言いたいことって?」

「え、えっと」

「ん?」

 

そんなに顔近づけないで下さい

 

「あ・・・その・・・・」

 

じりじりと距離を縮められる

 

あと少し

 

「言いにくいこと?」

「ち、違います!言いにくいってかタイミングってか・・・・」

「?」

 

早く!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

携帯のバイブが2回なった

 

 

 

7月20日 AM0:00

 

 

 

 

「お、お誕生日おめでとう。衛士」

「・・・・・・・っ」

「こ、これプレゼント」

「・・・ありがと。なんてぇか・・・・・すっごい・・・心臓止まるかと思った」

「え!え、ごめん・・・殺すつもりは・・・・」

「もう一回言って?」

「え、あー、お誕生日おめでとう」

「違う」

「へ?」

「その先」

「・・・・・・・?」

「名前」

「あ・・・・・・」

 

 

初めて呼んだ彼の名前

 

 

「言って?」

「え・・・・えーし・・・」

「もう一回」

「えぇ!!?」

「言って」

「え・・いし」

「もう一回」

「衛士」

「もう一回」

「衛s・・・ッ」

 

言い終わらないうちに唇を塞がれた

 

「ん・・・・・」

、愛してる」

 

口付けの合間に紡がれる愛の言葉

 

今日もあたしは

 

彼に叶わない

 

 

 

 

 

 

 

 

 


つかみ所の無いあなたとキラキラ輝く恋の中を
本当は来ること気付いてたって言ったら君はどんな顔をするのかな

 

 

 

 


めっちゃ遅くなったけど・・・・
笹塚さんお誕生日おめでとう!!!
貴方は永遠にあたしの理想の男です・・・・・
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(070722)

お題提供:ふりそそぐことば